中国が異なるアプローチで地銀救済-市場驚かせた公的管理を回避

中国政府は結局モラルハザードなしで銀行の整理は難しそうだ。
以前にブログで言及した中国の包商銀行について、中国金融当局がベイルインさせたが、今まで中国の中小銀行の暗黙の政府保証がついていたことから市場参加者の動揺が続いている。

中国の包商銀行の債権者はほぼ全額保護された模様


実際はほぼ全ての債権者は保護され、本当にごく一部の人にだけ負担を負わせたが、それでも中国の中小銀行の銀行間取引に影響が出るほど悪影響が出てしまった。
未だにAAA格とAA+格のNCD利回りの差はワイドな状態が続いている。

そして包商銀行と同様に2018年の年次報告書提出ができていない銀行に対して同様にベイルインさせるのではないかという不安がぬぐえない中小銀行の資金繰りがドン詰まっており、足元で注目されているのは錦州銀行という比較的大きめの中小銀行が危ないんじゃないかと言われていた。
しかし、ここでICBC、CINDAなど金融機関大手が錦州銀行の株を買うというアナウンスが出ており、なるほど中国政府は政府の暗黙保証では減らしながらも、結局は大手銀行やアセマネ会社に切り腹詰めさせる方向に切り替えてきたかということだ。

おそらく大手銀行とかは不良債権処理において中央政府からのサポートを受けながらやっているので、その分中小銀行も面倒みろよということなのかもしれないが、じゃあ大手金融機関は買収したことによって増加したRWAや資産の質劣化についてどう対応するのか考えておきたい。
個人的には劣後債の発行増額の可能性が高いと思うが。