安川電機が決算説明でのQ&Aを公開したので、こちらの中身を確認。

・中国は4Qがボトムで資金繰りがみんな苦しい状態だった。
そこから資金繰りが改善し、投資が戻ってきたことで1Qから回復してきた。
しかし2Q以降の視界はやはり不透明。

・欧米の4-5月の減速は4Qの中国減速の影響が時期ずれで生じてきているとのことのようだ。
個人的な見方だが足元で欧州のPMIが他よりも突出して悪いのは中国が悪化した分の期ずれと米中貿易戦争による心理的悪化が同時に重なったからではないかと考えている。

・米国の半導体が特に戻っていないと書いてあるのはほぼインテルのことを指しているのだろう。
未だインテルは厳しい状況にあるようだ。

・5月までは中国の状況は明るかったが、米中通商交渉の破断に伴い一気に顧客の意思決定が後ろ倒しになっている。
投資意欲がなくなったわけではないが、きっかけ待ちといった微妙な状況。

・半導体関連はまだ在庫調整している最中とのこと。

 ・顧客の生産機能を中国から他地域に移す動きはまださほどない 
安川電機ではインドやベトナムへ生産移管するための生産設備を発注する具体的な案件はまだ出ておらず、中国国内で自動化投資を進めるというのが本丸ではないかという話だ。
そう考えると、インド・ベトナムが黄金期を迎えるのはまだ早いというような気がする。

全体として確かに1-3月は中国が金融引き締めをやめたし、シャドーバンクに対する締め付けも急旋回してやめたことから資金繰りが改善して回復傾向で推移したことは間違いなかったようだ。

しかしその後の米中通商交渉の決裂で一気に視界不良になったことは間違いなく、特に半導体関連はまだ在庫調整が終わる目途が立っていないという雰囲気がする。
また中国から他国への生産移管もメディアで騒がれているほどは実情はまだ大したことないレベルではないかというところが真実なのかもしれない。