通貨「リブラ」 新興国にリスク


 フェイスブックが考案している暗号通貨リブラがそのまま全世界の人が使用できるとなると、先進国はまだ影響は大きくないかもしれないが、新興国にとっては大きなリスクになるだろう。

新興国の通貨というのは基本的に信用がない。
特に独裁体制にある国の場合、いつ資産が没収されるかわからないので国民はなるべく資産を分散させたいと思っている。
中国やロシアというのは特にその傾向が顕著で、ロシア・中国というのは絶対金額でいうとバカでかい資本流出国となっている。

さて、そんな中先進国通貨を裏付けとするリブラが誰でも取引できるようになったとき、どうなるだろうか?
現在の通貨体制というのは各国政府の決め打ちのもと、基本的には自国政府が管理し、信用のない国においては自国通貨を外貨通貨にして持ち出す際には高いハードルが敷かれている。
しかしリブラはその規制をかいくぐるように取引が可能だろうというのが現状の市場の見方だ。
そうなれば新興国の国民は資産の一定金額はこのリブラに向かうことは予期しやすいだろう。
しかし、同時にそれは新興国で資本流出の穴が常に存在し、自国金融政策の効果が全く効かなくなる世界が待っている。
特に為替が売られ始めたら、もう新興国にはそれを止める術がなくなってしまう。

先進各国もリブラについてはこのまま認めるわけにはいかない代物だ。
少なくともビットコインは誰も管理しない・裏付け資産もないもので通貨の安定性などというのは微塵もないものだから、せいぜい一大企業レベルの時価総額程度で収まっており、現状金融市場に与える影響はほぼゴミみたいなレベルしかない。

しかしリブラの場合は裏付け資産があり、フェイスブックが主体的に管理するとなると全然話が変わってくるということもあり、現在世界各国中銀はかなり警戒している。
先進国でもリブラが決済通貨として大きくなってしまった場合に、自国の金融政策が効かなくなるリスクが存在すると考えている。
金融政策が効かなくなることだけは何がなんでも避けたいとみんな考えているわけで、リブラが発行されるまではまだまだ紆余曲折があると思われる。