FRB議長「過剰反応しない」 早期利下げ観測けん制

昨日の相場はいかに足元の相場が不安定かを象徴する雰囲気であった。

FRBのパウエル議長が市場の過度な利下げ期待に対してけん制するような発言を昨日したということもあり、米株相場はだらだらと下がる展開となっている。
あれだけ前回のFOMCで利下げ期待を煽っておいて、ここで市場のとらえ方を微調整しようと試したのだろうが、その試みはかなり難しくなっているということだ。

足元で米国企業の利益状況はまあほぼ横ばいから本当に若干だが微減益ぐらいという予想が市場の見通しだ。
ただ、株価は基本的にEPS×PERで決まるため、景気に対する懸念があるならばPERは下がってしかるべきところだ。
しかし足元はFRBの金融緩和期待でこのPERを支えている状態にあるが、現在は利下げ期待でこのPERがめいいっぱい高い位置で維持されている状況にある。
逆に言えば少しでもFRBが隙を見せてしまうとこのPERが下がってしまうという難しい状況にある。
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トランプ氏からも1%の利下げという圧力を受けており、パウエル議長はどの程度まで利下げ期待を織り込ませればいいのか苦悩している状況にある。
またトランプ氏からはやはりパウエル議長をクビにして誰かもっとハト派な人間に切り替えようという動きを見せており、まさかのブラード理事に議長職を打診していたという話まで飛び出しており、FRB人事も混迷を極めるようになりつつある。
やはりここは一回PERを維持できるだけの利下げ期待が裏切られ一度PERの低下を見る必要性があるのではないかと個人的には考えている。