G20前に米中閣僚級会合へ、首脳会談に先立ち通商協議

投資家は知っているはずなのに、その前に煽ってボラティリティを高めて相場で一儲けしたいがためにG20に期待などという煽りを吹聴している。

しかし、古今東西G20で何かが決まったという試しは基本的にない。
そもそも二国間でさえ物事は決まらないのに、しかも経済規模も所得水準感も政治制度も大きく異なるG20が集まって何が決まるのだろうか?
まだG8なら先進国で所得水準が似通っており、また西欧的価値観を共有しているので何かで合意するということはほんのわずかの可能性だが期待できる。
しかしG20はもはや単なる顔見せや儀式程度の意味合いしかなく、基本的にここで何かが決まるというのはほぼ荒唐無稽な話だ。

またトランプ大統領がG20に合わせて中国と会談やるというのを電話協議で決めたと言っていて、それについて期待感が高まっているが、そもそもそんなすぐ決まるような話なら5月時点で中国と米国が互いに席を蹴るようなことはしないはずだ。

<過去記事参考>

突然蒸し返された米中通商問題と冷やし玉


それにどちらも「もうこの辺にしようか」というギブアップするレベルにまで追い込まれていないことを考えると、ちょろっとG20で会談しただけで何か前回の決裂から変化があるとは思えない。
そもそも中国側は完全に開き直って耐える気でいる。

<過去記事参考>

中国の開き直りで米中通商摩擦は新ステージへ


そう考えると米国側が手を緩めなければいけないが、FRBの政策金利引き下げサポートもあり、まだそこまで追い込まれていない。そういうことを考えるとG20後の相場についてはやはり保守的に見ておいたほうがよいと思われる。