低格付け債に熱視線
よく日本でも米国と同様なハイイールド社債市場の育成というのを時々耳にするが、現状具現化しそうな雰囲気はない。
この前アイフルがジャンク級ながら1.5%のクーポンで50億円調達したと話題になったが、後が続く気配がない。
その背景はなんだろうか?

現在日本の銀行は大量に預金を余らせている。
預金と貸出金の比率であるいわゆる預貸比率は60%とどの先進国よりも低い。
これが意味することは、どこの銀行も血眼になって貸出先を探しているのだ。
だからハイイールドな社債で調達しようとする上場会社に対しては、よっぽど財務内容が悪くなければいくらでもそれよりも低い金利で貸しますよと応じるだろう。

またハイイールド社債市場の供給側も想定が難しい。
日本でジャンク級ながら大量の資金需要が必要で、かつ銀行ではそれが引き受けられないといった上場会社というのが頭に浮かんでこない。
大量に資金が必要で、過払い金問題などで銀行からの借り入れがしにくいであろうアイフルでさえ50億円調達でよいのだ。

特に借金嫌いの日本人気質を考えると後先考えずに大量に資金を社債で借りるプレーヤーというのが想定しずらく、これがまたハイイールド社債市場がなかなか立ち上がらない大きな原因だと思われる。