シニアの投信選び、守り重視の時 米景気に先行き懸念
ツイッターでヘッジ付き米国債ファンドについてつぶやいたらいつもより少し反応が多めだったので、所見を少し記載しておきたいと思う。
足元で一般的な米国債ファンド(ヘッジなし)は概ね8-10年程度の満期なので、概ね利回りは2.54%程度だと思われる。

一般的に為替ヘッジコストは
投資対象通貨の短期金利(一般的に3mLiborが目安)+ベーシスコストー日本の短期金利
 で計算される。
足元で米ドルの為替ヘッジコストはおおよそ2.8%台程度になる。

つまりヘッジ付き米国債ファンドの利回りは2.54%-2.8%=▲0.26%ということになる。
個人が買えるヘッジ付き米国債ファンドは信託報酬は少なくとも0.2%ぐらいかかるだろうから、実際は年間利回りは▲0.46%となる。

ただ、米国債の場合絶対金利水準が2.54%(10年)あるため、景気後退時に金利が低下している分だけキャピタルゲインが出る。
仮に2.5%から1.5%に金利が低下すれば、おおよそ7-8%程度キャピタルゲインは出るだろう。
また、景気後退時は短期金利から急速に低下するので、その間に長短金利差が拡大して、ヘッジコストが米国債利回り以下になることも十分に考えられるだろう。

つまりこのヘッジ付き米国債ファンドに投資するということは、現状では景気後退時に対応するために、リスク資産のプットオプションを購入しているというのに構造は似ている。
仮に景気が上昇してしまった場合には株の利益で債券のキャピタルロスを相殺するという目論見だろう。

この考え方について顧客が理解しているなら、個人的にはヘッジ付き米国債ファンドに投資するのはOKだと思う。
しかし、債券投資の本来の正確である安定的な利回りを稼ぐという目的は全く達成できておらず、本当は顧客は安定した利回りを求めているのにヘッジ付き米国債ファンドの購入を推薦しているのであれば、それはFPが手数料を稼ぎたいがための欺瞞にすぎない。

とにかくヘッジ付き米国債は少なくとも安定した利息収入を稼ぐという債券本来の投資性質は現在持ちえないということは意識して投資するかどうかきちんと判断してもらいたいと思う。