村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

2019年06月

米中貿易戦争のエスカレートは一旦回避されたが、景気鈍化は確かに見えている。

ファーウェイとの取引容認 トランプ氏表明

米中首脳、決裂回避の1時間20分(G20リポート)


G20にてとりあえず米中でエスカレートしていた貿易戦争について一旦お互い冷静になろう、少なくとも国内向けにまあ一旦落ち着こうと説明できるようテンションを下げてきたというところだろう。
G20にてとりあえず関税引き上げは後ろ倒しにして、引き続き交渉は継続するという落としどころはほぼマーケットコンセンサスとなっていたところだ。
ファーウェイの禁輸措置の一部解除だけは若干ポジティブだが、個別銘柄には効くが全体感としてはそこまで大きく反応はしないと考えている。
ただここまでのわけのわからない米国の動向のせいもあり、グローバルに景気減速していることは確かで、各国の貿易動向を見れば一目瞭然だろう。

インドネシア大統領、米中摩擦「保護主義の排除を」
例えば上記記事にある通りインドネシアの輸出は前年度比マイナス-10%アラウンドぐらいあり、これは2018年末頃から急速に悪化していった。
どの国も貿易動向が鈍っていることは確かで、これが足元の世界経済減速の主要因であることは何度もこのブログではとりあげている。

ではリスク資産価格はどうなのか?
貿易動向が鈍っていて世界経済停滞感は出ているが、それを米国利下げの一手で今はサポートしているといった状態だ。
なんとなくこの状況は2015-2016年のときに似ているなあという感触も個人としてはしている。
ただ、あの時は中国株バブルの崩壊もあったことから、さすがに2016年初めほどの下げというのはちょっと想像しずらいのではないかなとも思っている。
一旦はリスク資産の価格下落があり、これに対して何かしらの追加材料が出てくる必要性があるかと相対。

あるとすれば2015-2016年にあった主要株の下げの半分から6割程度ぐらいではないかと推測している。
とりあえず全部のポジションは売らず現金比率を65%を維持し、なにかチャンスはないかと探しておこうと思う。

JTをはじめ、たばこ株が売られている背景

JT、年初来安値 「加熱式」期待薄く

配当利回り大好きな方々には非常にお気に入りのたばこ株。
米株ならフィリップモリス、日本株ならJT。
あのウォーレンバフェットも昔はタバコ株は顧客が他のセクターと比べて全然離れないので非常においしいとまで言わしめてきたセクターである。
これらの株がこの2-3年で平気で4割近くぐらい下がって配当利回りも6%となっているのに、なんで株価戻らないんだとNISA購入組で怒りを感じてしまう方もいるだろう。

これにはいくつかの複合要因によって生じている側面がある。
一つは健康意識の高まり・タバコ税の増税・代替娯楽の氾濫という背景による構造的な需要減少だ。
もはや日本では一箱500円、海外なら一箱1000円の健康に悪いタバコを吸うことが、無料でできるスマホゲームに勝つということがいかに難しいかがわかるだろう。

ただこれについては昔からわかっていたことで各社コスト削減などで対応しており株価と比べてEPSの下落幅は限定的で、ここ3-4年ではEPSはあまり変化していない。
もう一つ直近で大きな影響を及ぼしているのがESG投資による株の需要減少だ。
ESG投資でタバコ株は特に目の敵にされており、世界最大の年金基金であるノルウェー基金をはじめ、タバコ株を売る機関投資家プレーヤーが増加傾向にある。
ここに上乗せ空売りすればかなり利幅出るんじゃないかと狙っている動きの速いプレーヤーもいるだろう。

このESG投資という観点によるタバコ株ポジションの削減+ブローカーの上乗せ空売りによって皆が想像するよりも株価の下落が続いてしまっている。
しかもこれら機関投資家は絶対に帰ってこない買いポジションでもあるため、従来よりPERの上限は低くなっていることは確実だ。
少なくともJTにおいては未来永劫PERが過去のような20倍に戻るということはないだろう。

かといってEPSが維持できている株に対して過剰に利回りやPERが低くなればそれはそれで安定した投資対象になることも想定される。
ただし、タバコ需要減少によるダメージがJTであれば多額ののれん部分にまでヒットしてしまうとEPSの減少および減配という事態もあり得るので、そこを考えながらどこがボトムかを考えながらタバコ株の買いを実践してほしく、単に足元の配当利回りが高いから・PERが低いからという理由でめくらで金をつぎ込んでいくのは得策ではないだろう。
少なくともPER6-7倍台になったらさすがに買いでしょうとは思うが。
(個人的にはあまりにも夢のない株投資なのでそもそも遠慮するが・・・) 

とりあえず今回のJT株の下落はESGファクター要因が大きく、株投資家はESGファクターで年金基金が売らざるを得ない株を持っていないかというのに目配せする必要がある。


社会を変える投資 ESG入門

カジノ業界の台風の目になっているカンボジア

カンボジア大手会長「海外客、25年までに倍増」
今カジノ業界で最も勢いのある国はどこかというと意外なことにカンボジアである。
これはカンボジア政府のゆるゆるな規制のおかげということもある。
特に最近客足を伸ばしているカジノはナガコープが運営しているナガワールドで、なんとこのカジノは信じられないことにプノンペンの政府機関裏に存在する。
(そもそも政府機関の裏にばかでかいカジノが建てられているってそれどうなんだと思うが)

タイトルなし



そしてドレスコードは一切ないし、なによりマカオなどと比べてVIP待遇の敷居が低いので、マカオではVIPとみなされない客がVIP待遇で遊べるということで中国人に大人気となっている。
またおそらくだがマネロン規制もあってないに等しい状態というのも想像しやすいので、ジャンケットを経由した新しいマネロン温床地としても人気ということなのだろう。
各カジノ会社もこのカンボジアのカジノ勢にはかなり警戒しており、自分達のマス客を取られているという危機感さえもっているという話だ。
その証拠にどこのカジノ株も結構ひどい値動きをする中で香港上場しているナガコープだけはしっかりとした値動きとなっている。

<ナガコープの株価(香港上場)>
タイトルなし


フィリピンで開業されているユニバーサル社長の岡田氏が出資しているカジノも客足が順調なようだが、どちらかというと中国に直線距離で近いカンボジアの方が勢いがあり、国としてもGDPの相当な金額を占めるレベルになっていることから積極的に応援する形になっているし、今後もプノンペンのえ、お前そこにカジノ建てられる!?というありえないところにカジノが建っていくような気がする。 


日本版カジノのすべて


国債市場に100年債ブームはくるのか

【コラム】100年債利回り1.2%、債券市場は狂気の沙汰-アシュワース

世界的にネガティブイールド国債の量が急速に増えており、債券投資家中心に運用難に陥っている。
運用というからにはどうしても絶対値プラス利回りが必要だからだ。
そこでにわかに欧州で注目を集めているのが100年国債だ。
これはベルギーなどは私募でやってきたが、オーストリアが2017年に2117年償還の国債をクーポン2.1%で発行した。

結局この国債はその後金利低下で単価が100から158まで上昇し、結果的には起債は大成功だった評価されている。
銀行勢はなかなか手をだしづらい領域だが、おそらく生保マネーなら今なら喜んで買うんではなかろうか?

生保マネーであれば長期の玉を触りに行くというのは預金マネーと比べればロングデュレーションリスクを取りやすい。
それに台湾生保が運用先に困って困ってしょうがないから、やはり飛びつく可能性はあるのではなかろうか?

<過去参考記事>

ドル社債に対して投資意欲が衰えない台湾生保


最近ではソニー生命が50年三菱地所の社債に平気で大量の買い玉を出したというのも考えれば50年~100年ゾーンで高い利回り提示という手法は需給がマッチした起債になるのではなかろうか? 

「人生100年」超長期債で備え 初の50年債

流動性の薄い資産への逆風が相次ぐ

英著名投資家ウッドフォード氏のファンド、解約受け付けを停止
ファンドの一部、非流動資産で「虚構の上に成り立つ」-英中銀総裁


英中銀のカーニー総裁から。一部ファンドについて流動性がないにも関わらず、流動性があると謳って資金を集めているファンドがいることについて不満をもらしている。

最近でもウッドフォード氏のファンドが解約に対して保有する非流動資産の価格値崩れを防ぐために解約を停止、またナクティシス傘下のH2Oでもこうした非流動的資産への投資を行っているファンドに懸念がもたれて資金流出が相次いだ。
足元で相場は堅調なように見えるものの、非流動的な資産に対してやはり市場参加者は価格水準が高く、できることならどこかで資金を抜きたいと考えている様子なのかもしれない。

ファンドのお金を集めているときに、そもそも解約について短期解約はできないという条項をつけていれば話は別なのだが、得てしてこういうファンドは日々解約できますよと言っておいて金を集めるが、その後リスクセンチメントが落ちてきて顧客からの解約が増えると途中から資産の売りが間に合わなくなって解約を停止してしまうというところまで追いつめられる。
またどこかのファンドの解約が停止されると、同じカテゴリの別ファンドに投資している人達が不安になって別のファンドも同様に解約が殺到してしまうという悪循環が起きやすくなる。
足元でBB格CLOの価格が下がっていることやレバレッジドローンの価格にも若干不安感が出ているのはそういう背景があるのかもしれない。

CLOやレバローンはフィックスド投資の中でも特に流動性が低いので、脱出したいときにほんとに脱出できるかどうかはその時の流動性次第となってしまうからだ。
普通のドル建て社債でも格付けがB格ぐらいになると、相場が相当荒れているときはノービッド(売り約定できない)と言われることもしばしばあるわけだし。
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村越誠

投資に関して気づいたことのメモをしていく。 ご連絡の取りたい方は、makoto.muragoe★gmail.comまで(★を@に変換してください)
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