村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

2019年05月

メキシコだって本当は不法移民も麻薬密輸も撲滅したい

トランプ大統領、メキシコに5%の関税表明 移民対策要求

トランプ大統領が声高に「メキシコは不法移民を撲滅しろ!さもないと制裁を加えるぞ!」と関税引き上げを予告。
(不法移民と麻薬密輸撲滅の二つがトランプ大統領にとっては重要性が高い)

でもメキシコ政府だって本当は不法移民も麻薬密輸も撲滅させたいと思っている。
特に麻薬密輸に関しては下記にリンクを載せるが、一般的には麻薬戦争と呼ばれているがケシ畑に爆撃したりとかしている。
しかもこれは米国政府と連携して行っているコラボレーション対策だ。

<過去記事参考>

「メキシコ麻薬戦争 アメリカ大陸を引き裂く「犯罪者」たちの叛乱」を読んで


メキシコ麻薬戦争: アメリカ大陸を引き裂く「犯罪者」たちの叛乱

しかしそれでも麻薬密輸は止まらない。
そりゃ陸続きの隣の国に巨大な経済圏があって、麻薬を高値で買ってくれる人がそれこそ他の周辺国とは比にならないレベルでいるんだから、なんとかして麻薬密輸して儲けようと考えるヤカラはいる。
しかもメキシコ自体国民に対して職が少ないので、そうした食い詰めた人達が最終的に行き着くところはケシ畑での栽培、麻薬密造、麻薬密輸のいずれかである。
さらに先ほどメキシコ自体に職が少ないというところは麻薬密輸だけでなく、不法移民にもつながる話だ。陸続きだし、捕まったところでノールックで射殺されるわけでもなく、単に送還されるだけなんだから何回でも職のない人達が陸上から不法渡航しようとする。

メキシコ政府だって放置したくて放置しているわけではない。
でも現実に職が足りないという状況を変えることができていない。
しかも足元ではこうした麻薬関連で稼いだ金でマフィアが武器を買っており、下手するとメキシコ政府の警察組織や軍よりも高度な武器を持っているという話まである。
また、一つのマフィアを撲滅したところで、それは別のマフィアが台頭するだけといういたちごっこのような状態にあり、こちらもメキシコ政府は頑張っているがほぼお手上げに近い状態だ。

だから不法移民を解決する手段は極論すると国境から渡ろうとする不法移民をノールックで銃殺するぐらいしかないが、法治国家である米国にはそれを実現する術はない。
そもそも不法移民と関税はまったく関係性がない問題だ。
不法移民の解決方法が関税引き上げにはどう考えたってならない。
いや、むしろ関税引き上げしてメキシコの職がさらに減ったら、職にあぶれた人が増加して、より不法移民問題と麻薬密輸問題は拡大するだろう。
それぐらいはトランプ大統領だって知っているはずで、今回のメキシコの関税引き上げは中国との覇権争いみたいな高尚なものではなく、単なる選挙パフォーマンス以外のなにものでもない。

関税引き上げでより不法移民と麻薬密輸問題が拡大したところでトランプ大統領にとっては再選さえすればなんでもいいのである。
なお、こうした今日はある国を脅し、明日は別の国を脅すという手法では設備投資が減退するだけであり、全世界に脅しをかけるより筋を通して脅す範囲をきちんと明示しなければいけない。

<過去記事参考>

ファーウェイの全文インタビューから見る足元の相場へのヒント

でもそれを現トランプ政権に求めることは難しいだろう。メキシコ政府からも口だけならまあこんな対策やりますぐらいの宣言はできるだろうが、実効性ある対策をトランプ大統領に提示することはできないだろう
(てかあるならもうすでにやって、不法移民減らしている) 

欧州での鉄鋼減産はネガティブサプライズ

ArcelorMittal plans Europe production cuts

欧州大手鉄鋼会社のアルセロールミタルが欧州の製鉄所の減産を決めたようだ。
ほんとのボトムであればこうしたニュースは意外と株高だったりするのだが、減産ニュースが出てからの市場のファーストアクションは窓開け下落スタートということもあり、市場がまだ悪材料を織り込み切っていない様子がうかがえ、シクリカル系あく抜けとはいっていませんねという感触を感じた。

<アルセロールミタルの株価>
タイトルなし

ただこう見ると鉄鋼業界はかなり大人になったなと思う。
かつて2011年~2013年の時は無理にでも事業拡大で減産したら負けみたいな雰囲気がすごく、ほぼ全鉄鋼会社が赤字に沈んで全員水没しかけたことがあった。 
そのころと比べればみんな腰が引けてて、やばくなればさっと減産を決めるというのが世界的にもどのプレーヤーも速く、なんか業績悪くなりそうに見えるけど、意外とどん底赤字にまではならないというのが最近の動向だ。

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足元の相場環境の確認

全体的に相場環境は悪いの一言に尽きるだろう。
ただし、まだ総悲観の入り口にようやく立ったかなというレベル感だと思っている。

ここまで待っていたクレジットの悪化が急速に進んでいることがまず一点だ。
特に直近大量起債してしまった銘柄についてはおそらく業者が強引な値付けをした挙句、大量に在庫を保有しているということもあり泣きを見るような投げが散見され始めている。
ハイイールドだけでなく、投資適格にもそこそこ悲観が出てきており、対国債のプレミアムは上昇傾向で推移している。米国REITも二日連続で大きめ陰線となっており、こちらも雰囲気は怪しくなってきている。

<米国REITのチャート>
タイトルなし


レバレッジドローンについてもじわりと下落しているが、こちらはまだ下げ幅は微々たるレベルで、参加者のほとんどは冷静さを保っているだろう。

一方で、JREITとイタリア国債はまだリスクオフに至っていない。
この二つについてはいわゆるマイナス金利に苦しむ金法買いがしつこくはいっており売り玉を捌ききっている可能性が否定できず、つまるところ総悲観に至っていないことの証左となってしまっている。

<イタリア10年国債利回りのチャート>
タイトルなし


為替は今回は先んじてリスクオフで先行したが、足元は目立った動きがなくなっている。
豪ドルについてもだいぶ先の利下げまで目線に入ったせいか、ひとまず下落が落ち着いている。

さて問題は自分が狙うレンジだ。
自分が狙っているレンジについてはS&P500が2540-2780のどこかでボトムを打つと考えている。
(まだどこまで動くかわからないのでレンジは広め)

<S&P500のチャート>
タイトルなし


いわゆる過去3年平均よりは高いけど過去1年平均と比べれば安い、この水準感のどこで入り始めるかを市場を観察しながら考えている。
まだ下げ角度も緩やかであり、ボトムを打つには瞬間風速的な下げ速度の上昇を見たいところだ。
その時ほとんどのリスクアセットが下落しているならばエントリーしてもいいのではないかと考えている。

まあ最後はえいやなので当たるも八卦当たらぬも八卦ですが。ただ昨日のクレジットの売られ方は結構派手だったが、今日は少しそのリカバリングも見えるので、短期的には一旦回復というのも少し見えるような気もする。 

中国バオシャン銀行が公的管理下に置かれた影響について

Chinese Government Takes Over Bank Linked to Fallen Tycoon

自分でもまだわかっていないことが多いのでメモ。
中国の内モンゴルにある中小銀行バオシャン銀行が中国の公的管理下に置かれ、運営をCCB(中国建設銀行)が引き継ぐという話になった。

さて、ここで焦点になるのはバオシャン銀行向けの預金や債権だ。
一応足元で分かっていることは
1、預金については50mil元までは保護される。ただし50mil元以上は当局との交渉が必要 
2、インターバンク負債も預金と同様 
3、インターバンク債権については70%は保護されるが、残り30%はまだ決まっていない 
4、Tier2債やAT1債についてのベイルインについても未決定 
5、バオシャン銀行は2016年までは不良債権比率が2%以下と健全に見えていたが、2017-2018年の適時開示がない中で公的管理下に置かれるに至った。 

ここまで見て考えなければいけないことは一つ大きなのは4の金融劣後債がベイルインするかどうかだ。ベイルインした場合はこうした劣後債について金融会社同士で持ち合いしていたり、本土生命保険会社が持っていたりすることもあるため中小銀行の劣後債に対して見方が厳しくなるのは必至だろう。
また3のインターバンク債権も一部カットされるとなると、一応中国自体は計画経済なので政府がインターバンクで貸せと言えばやるのだろうけど、他の中小銀行向けにもインターバンクで貸す態度は厳しくなることは想像できる。
5のようにバオシャン銀行の開示しているNPLの数値がよかったにもかかわらず、いきなり公的管理下に陥る事態になったということも中小銀行が開示している情報に対して疑念を持たれる一因になるだろう。
とりあえず金融当局がどういった解決方法を取るかによって中国の中小銀行の資金繰り状況は変化しそうなので、ここの続報については十分注意したい。

現状ではとりあえずインターバンク全体の資金供給量を増やしているようだが、規模が小さめの銀行にとって重要な資金調達源である譲渡性預金を買おうとする投資家が減少していることに留意が必要だ。 
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