村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

2019年03月

中国株はPER要因分だけは年初のリスクオフ分は回復

Chinese industrial profits suffer sharpest contraction in a decade

中国の大手産業企業の1-2月の利益減少度合いは前年比14%だったと国家統計局が発表したようだ。
中でも減益幅が大きかったのは自動車セクターで、前年比42%だったようだ。

産業平均に対して3倍もの影響が出ているということだ。
つまり、景気循環株は全体平均に対して3倍のボラティリティを持つことを意味している。
ちなみに足元で上海総合指数は1月時点では前年比26%下落していたことから、14%分はEPS要因・12%はPER要因だったという分解ができるだろう。
足元は26%減から12%下落にまで回復している。
EPSはすぐには劇的には回復はしないので、PER12%分+αぐらいの回復をしたのかなという感触だ。

<上海総合指数のチャート>
タイトルなし


自動車株代表銘柄であるジーリーオートモービルは株価が1月時点で60%ぐらい減少していたのを見るとEPS42%、PER18%分という内訳になるかなというイメージだ。
足元では46%下落ぐらいにまで回復したので、やはりPER要因分だけ回復したのかなという印象だ。
ここからの上昇には金融緩和によるPER上昇および経済回復によるEPS増加期待が必要になる。

<ジーリーの株価チャート>
タイトルなし

 

また新興国資産でトルコが真っ先に怪しい雰囲気を出し始める

トルコ・リラ、スワップレートが10倍に-オフショア流動性が枯渇

 どうやらこの前のトルコリラ急落に対して、トルコ中銀がリラ供給を絞ってスワップ金利を上昇させてから売り勢を焼こうと躍起になっているようだ。
これはトルコの地方選挙前で、エルドアン大統領への支持率を高めておきたいという指示のもと当局が動いているという要素もあるだろう。

しかしこれが意味することは極端な金融引き締めが起こっているとと同義だということだ。
下手すると通常の短期資金のロールができない可能性もあることから、とりあえず手元の現金化できる資産を売るというオペレーションをせざるをえない人達が続出しているものと思われる。
国債、株などは真っ先に売って現金化する候補になるだろう。

そうなるとトルコのリスク資産なんて持っている場合じゃないよねとなる。
まあ一定程度行けば、逆に割安になるので手を出せるかもしれないので、そこを意識してワンチャン狙うのはありかもしれないけれど。
(自分はそういうのが不得意なのでやらない)

また、以前の新興国売りもトルコが真っ先に不調になっていったことを考えると、すわ新興国売りがまた始まるのかと少し身構えてしまう次第である。

米国不動産価格上昇率の伸び鈍化がどの辺で止まるか観察したい

米主要20都市住宅価格指数:1月は前年比3.6%上昇-予想3.8%上昇

先日発表された米国不動産価格統計は前年比3.58%の上昇率とここ数年5%ぐらいで推移していたのが鈍ってきている。

これは完全に世界的な兆候で、特に中国人が外国で不動産を買う流れが完全にストップしていることが大きく影響している。
中国は価格制限策について引き続き行っているうえに、賃貸利回り対比で考えるとやはり高すぎるという水準に至っており、もともと中国人が外国の不動産を買いあさっていたのは利回りや絶対値金額ベースでリーマンショックのあおりで安かったねという流れであった。

しかしその流れも一巡し、米国金利が上昇したことから現在は世界中で不動産価格が弱く、特に中国人バイヤーの影響が大きかった地域ほど価格は前年比マイナスに突っ込んでいるという状態だ。

米国は厚みが大分違うので中国人の不動産爆買い影響はそこまで大きくはなかったが、それでも昨今の不動産弱含みに連れ始めたという動きがかいまみえている。
問題はどの辺でこの価格トレンドが反転するか、それとも継続するのかというところだが、現状では誰もわからない状態にある。

価格の下がり方が加速するかどうかだけは注意してみる必要性があると思う。その時は誰かが意識的に投げ売りしている可能性があるからだ。 
半年程度以内に伸びの下げ止まりが見えればOKだと思う。

Weworkの社債価格を見る限り、社債投資家はビジネスモデルに懐疑的。

WeWork bonds slip after its losses more than double

WEWORKは去年4月頃にドル建て社債を出していたが、その時は格付けB+のスプレッド491bps、満期2025年で発行した。

しかし当時からまともな開示がないという不満の声が噴出していたことを考えると、投資している人は格付けだけ見て、ほぼノールックで社債投資したんじゃないかなと思う。
しかしその後赤字額がまだまだ拡大するといった懸念を背景に社債価格は足元で91まで下落、スプレッドは750bpsとそれって米国ドル建て社債市場でいうとCCC格レベルのスプレッドですよねという状態になっている。

Weworkはまだたっぷり手元現金があって、短期ファイナンスに問題はないと言っているが、社債投資家はそうは思っていない雰囲気が漂う。

少なくともこのままではWeworkはおかわり第三者割当を数回する必要性があるのだが、はたしてソフトバンクはそれに応じてくれるのだろうか?
既に前回ソフトバンクは出資金額をケチっていることを考えると、さすがにWeworkみたいなレベルのそのビジネスモデルで今後戦うことできるんかいなと思われる企業については借入姿勢は厳しくならざるを得ないだろう。 

とにかく市場はウィーワークはイージーマネーに頼りすぎな企業だと認識している。

タイの選挙は無難に通過し、一応は安定化へ

タイ、軍政継続軸に連立協議へ タクシン派伸び悩む
タイの選挙で、タクシン派のタイ貢献党が大量に議席を獲得して、プラユット首相の続投ができないかもと市場参加者はやきもきしていたが、ふたを開けてみればタイ貢献党は現在の得票だとせいぜい130議席程度しか取れない模様だ。

軍党の国民国家の力党は110議席程度の獲得と市場予想以上に好戦し、軍が任意で議席を与えることのできる上院の250を足せば、あとはてきとーにどこかの党と連立を組めば、過半数の議席をおさえることができ、プラユット首相続投で決まることがほぼ確実となった。

一部タクシン派から不正選挙だとかわーわーいっていたりするけど、そもそも以前に比べて大幅退潮していることを考えれば、一応は軍政権時代の経済運営が民衆に支持されているということだろう。

とにもかくにもアジアの選挙の中でも、最も不安視されていたタイの選挙については荒れずにすんでよかったですねという結論になった。
 
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村越誠

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