村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

中国不動産企業が物件を大幅値下げしているというニュースに対する所感

中国恒大集団、すべての不動産物件を30%値引き

ネットで騒ぐほどは相場や経済に対する重要なニュースではない。

中国の不動産ニュースが久々に日本語で大きめに出たということもあり、少しツイッターなどでは話題になっていた上記ニュースについて少し解説したいと思う。
これは正直いうと昨今の中国政府の不動産規制の方向性とエバーグランデ固有の事情が重なった問題であり、なにか経済や相場に大きな影響を与えるニュースではないし、事情に詳しい人ならすぐわかる話である(ただしエバーグランデ自体の株価はそれなりに影響出る話ではあるが)

このニュースの背景を理解するには、まずエバーグランデについて知っていなければいけない。
エバーグランデは中国不動産企業の中でも最大級に有利子負債を抱える、中国政府にとって「Too big Too fail」企業なのである。
抱えている有利子負債はちっちゃい国との比較なら余裕で金額を上回っており、普通にハンガリーと同じレベルの有利子負債を抱える爆弾みたいな企業だ。
まずこの背景を知らなければいけない。

中国政府は不動産企業に高いレバレッジがかかりっぱなしなのがずっと気になっている一方で、むやみやたらにデレバレッジを促進するとそれはそれで経済にマイナスであることを承知している。
しかし、昨今コロナウイルス対策で金融緩和策が進む中であらためて中国不動産企業のハイレバレッジ化進展を防ぐために予防措置を取っておくべきだろうということで、中国不動産企業に対して一定程度の有利子負債削減を薦めないと銀行に対して融資規制させるといった指導を出している。

<参考ニュース>
China Developers Face Harsh Liquidity Test as Curbs Loom

ここまで説明すれば馬鹿でもわかる話であるが、最もこの指導で被害を受けるのはエバーグランデである。
なので、エバーグランデは有利子負債削減を加速させるために物件の売り急ぎをする必要性がある。
より多くの物件を捌こうと思ったら不動産会社にとってできることは一つで、単純に値下げであるという帰結も理解しやすいだろう。

ということで今回の値引きというのは需要サイドの減退から発生したものではなく、高いレバレッジがかかっている不動産企業が中国政府の指導の下有利子負債削減の加速を余儀なくされていることに起因したものであり、有利子負債削減の目処がたった時点でこの値引き販売は終わることがほぼ見えているので、これ自体が相場に何かひどいことをもたらすとか中国経済に破壊的なダメージが発生するといったことはないだろう。
また、これは中国不動産企業の中でも断トツに大きい有利子負債を抱えているエバーグランデの事情という背景も強く、もっとレバレッジの軽い不動産企業はそこまで売り急ぐ必要性もないはずなので、値下げするとしても一桁台%レベルの軽いもので済むものと思われる。

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オプション市場は総悲観からは程遠い位置にしかいない

ETF押し目買いの投資家に痛手か、ナスダック下げ幅拡大

悲壮感が全然足りない。

昨日は先週終わりあたりにあったようなまさにナスダック暴落が再び現れた。
ナスダックがすでに上から下まで10%動いているということもあり、気が早い人から見たらもうここで全力エントリーしてやるという人もいるだろう。
だがその前に今現在市場がどの程度総悲観になっているかは確認しておいた方がよいだろう。

ここでCBOE集計のオプション市場の動向を確認したいと思う。
下記は全て9/8までのデータになる。
まず今一番問題になっている個別株オプション市場動向だ。

<個別株コール・プットオプションの日次取引高>
タイトルなし

これを見るとまだまだコール買いを諦めていない人が多いことがわかる。
昨日のあの動きでもまだコール買いがまれに見るレベルのボリュームを維持している。
一方で先週終わりまでヘッジで増加していたプットオプション取引が昨日はなぜか減少している。
あれだけ相場は下がっていたはずなのにプットオプションの取引が低迷しているということは先週終わりで動きの早い投資家はヘッジは済んだということかもしれない。
一方でその後の動きの遅い投資家のヘッジはまだ出ておらず、逆をつかれるのを警戒しているようにも見える。

<指数プット・コールオプション日次取引高の動向>
タイトルなし

指数オプションも昨日はあれだけ指数が下落したのにプットオプションもコールオプションも盛り上がっていない。
プットオプションが増えていないのはヘッジするほどまだみんな危機感を抱いていないことを意味している。
コールオプションが増えていないのはここが安値と思って資金を入れている人が増えていないことを意味している。
つまり総悲観とは程遠い姿勢を示している。

<VIXオプションの日次取引動向>
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最後にVIXオプションだ。
昨日はVIXが低下したことからもわかる通り、VIXコールの取引は低調であった。
これもまだヘッジを急いでいる投資家が不在であることを意味している。

総じてみるとまだ先週木・金曜日のオプション市場動向の方が緊張感があって、株価の位置がそんな高くなければおそらく底打ちしているような動きだった。
しかし昨日のオプション市場動向は個別株コールオプション買っている人がまだまだいるし、下落に向けたヘッジをしている人は木・金曜日と比べると減少しており、単純に買い手の絶対的な不足・誰もまだ投げ売りに参戦していないという総悲観の入り口にさえ立っていない市場需給動向が読み取れる。
こういう時こそまさに株ショートがワークするときだろうと思う。

ちなみにこうした要素を考慮して現在独自作成しているブルベア指数は計算しているため、ぜひとも興味ある方は下記マガジンに登録してもらいたい。(PR)

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原油価格の不可解な下げは何を織り込んでいるのか

NY商品、原油が大幅反落 ドル高で割安感薄れる 金は反落

なぜこのタイミングなのかがはかりきれていない。

ユーロドルの口先介入をきっかけに貴金属・仮想通貨はドルの流動性懸念と高値で仕込んだ人達の諦め売りが出始めて大きく揺らいでいる。
それに合わせて原油もコモディティの一つということで連れ安になっているが、下げ方は気づけば貴金属類よりこじれた下げ方を見せている。

<WTI原油価格のチャート>
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色々ニュースを見ると、いくつか報道は出ているがユーロドルの動き以外では材料が判然としない。

・米国ドライブシーズンが終わって需給がゆるみそう
毎年恒例の話でなにをいまさら感しかない。

・米国の石油精製所の定期メンテナンスで需要減退観測
これも毎年恒例で、いやいや原油触るようなプレーヤーは全員知っている話だろと。

・OPECプラスでの減産緩和観測
これももう6月時点ですでにOPECプラス側で決定されている話である。

・欧州でのコロナウイルス第二波観測

ただこのニュース自体は先々週あたりに出ていた話で、どうも原油価格の下落タイミングとは随分時差があるように感じる。

・米国クッシング在庫の予想外の増加
これは確かに一因はありそうだ。
ただ実際はこれが発表される前に下がり、これが発表されてからさらに追加で下がったということで初動から大分時差があったなという感想。
また、クッシングじゃない方の在庫はまだ減少傾向で進んでいるというのも考慮すると、そこまで反応する内容かとも少し疑いたくなる。

ということで知っている話が半分以上ということで、原油はゴールド・シルバーと違い、実需割合が大きいことを考えると単純なドル高っていうだけでここまで激しい初動が出てくるのはここまで派手な初動下げが出てくるには違和感がある。
なんとなくだが、別の何かを織り込んでいるようにも思えて、インサイダー情報を手に入れるのが早い人達からの第一陣売りが出ているのではないかと思える。

原油の大きな特徴としては、価格がダイレクトに実経済に影響が出ることである。
例えばゴールドやシルバーは現在では価格が急騰しようが暴落しようが困る人というのは少数しかいない。
一方で原油価格が暴落すると困る人というのは大量発生する。
原油に収入を依存している国、石油関連企業というのは世界中にあって、原油産油国・米国原油企業のクレジットに多大な影響をおよぼす。
ここが崩れると、新興国全体や米国ハイイールド社債などが急速に不穏な空気につつまれて、他の資産までもを巻き込んだ下げに発展する危険性もはらんでいる。

しかし、これが決定打だみたいなものがない中で下げているということもあり、比較的今回の下げはここで止まる可能性は低いのではないかとなんとなく思っている。

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熱狂に包まれていたコールオプション市場について振り返り

米個別株オプションに熱狂した個人投資家、株急落で大やけど

ちょっとオプション市場ネタが続きますが。

ロビンフッダーやソフトバンクが大量にコールオプションに殺到し、そして相場を壊したということで連日報道が続いているが、データを振り返りながら現状どう考えるべきか述べておこうと思う。
CBOEだけだと全体の10%程度の取引しかカバーできていないので、全米市場のオプション取引動向を集計しているOCCのデータを使って推移を確認したい。

<米国コールオプションとプットオプションの出来高>
タイトルなし


<今回使用したPythonコード>
【コピペでOK】オプションクリアリングコーポレーションから全米各市場のオプション日次取引高合計をスクレイピングする方法

上記データを見ただけでも直近の異常取引は目につく。
6月まではまだプットオプションが途中からコールオプションをカバーする形で動いていたが、それ以降はもうリスクガン無視のコールオプション積み一辺倒だったことがうかがえる。

過去データを追うと、大体こんなオプション取引のデータプロファイルになる。
・コールオプションの出来高はプットオプションに対して平均18%増しぐらいで取引されている
・コールオプションがプットオプションの出来高に対して4割増し以上の取引されている時というのは相場が過熱して反動が起こりかねない水準のように思える。
・コールオプションがプットオプションの倍の量取引されている事例は2010年末以降はほとんどない。
・プットオプションがコールオプションより出来高が上回っている時は一般的にはかなり総悲観に近い(いわゆるプットコールレシオが1以上の時)

といったところだろうか。
なのに今回は5日平均でいうと最大で8割増し、単日だけで見ると倍の量取引されている日があるというまさに短期的には異常熱狂相場だと言えよう。

<コールオプションがプットオプションの何%増しで取引されていたかの推移>
タイトルなし


なので、個人的にはやはり昨日と同様な結論になるが中長期ロング追加というのはこの異常なコールオプション取引の正常化が見えてから全力していきたいと思っている。

ちなみに個人的にはプットコールレシオはその数字のままでは基本的に使えないと思っている。
相場において緊張感があまりない時はプットオプションもコールオプションも取引高があまりできないので、プットコールレシオがちょっとした取引増減で意味のない増減をしてしまう。
そのためプットコールレシオだけでなく、実際にどれだけの取引がなされて出来高がどう推移した結果、今のプットコールレシオの数値になっているかというのを確認する必要性がある。
特にコールとプットの両方が同時に出来高が増加しており、それに加えてプットコールレシオが急変動している時というのが最も投資家にとっては重要な分岐点になると考えている。

別に専業だったり投資で人生一発逆転したいとかは別として、ぼちぼち資産を増やしてのんびりやっていきたいんですという人はきちんと相場が調整していてプットコールレシオが1以上、つまりプットオプションがコールオプションより多く取引されている時期を見てインデックスのロングを追加していけば基本的には大怪我するということは少ないと思われる。
今見たいなコールオプションがプットオプションの5割増しレベルのボリュームで取引されていて、同じアウトオブマネー幅でコールオプションよりプットオプションが高い時みたいな時に全力買い取引するのは鉄火場相場と割り切ってすこしでも調整する雰囲気や自分の思い描ているストーリーと違うものが出てきたら即逃げする姿勢を意識して株投資を行ってほしいと思う。

<過去参考記事>

オプション市場を見るとみんな人間やめてるって感想しか出ない相場

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現在考えているナスダック100指数の調整ターゲットレンジ

あくまで個人的予想で、各自手元余裕資金と自身の投資スタイルと相談して決めてください。

いよいよ相場としてはいろいろ行き詰まりが発生してさすがに調整かという雰囲気だ。
月曜日は米国祝日ということで火曜日以降の相場に取り組む上で個人的に考えているターゲットをメモ代わりに記しておこうと思う。

以前に記事にした通りだが、一年移動平均線からの乖離率は過去35年のデータで上位2.5%の範囲に入ってしまっているということで、完全なバブルとはいかないまでも短期間では明らかにやりすぎだという話なのだろうと思う。

<ナスダックの疑似ボリンジャーバンド>
タイトルなし


<過去参考記事>

独自ボリンジャーバンドを使い、足元がITバブルかどうかを判定

<使用しているPythonコード>
【コピペでOK】Pythonコードでボラティリティ計算期間を変更できる疑似ボリンジャーバンドを作成する方法

一つは実質1σラインである一年移動平均線乖離率が上位16%の位置までバックするという見方である。
これは1999年のITバブル時においても度々目にする株価推移になっているということもあり、これがまず最低限発生するだろうと思う下げ幅である。
問題は最悪どの辺まで下がるかである。
コロナ暴落以降のデータをナスダックだけでなく、色々見て回るともっともテンションが低いエネルギーセクターは6月8日以降をピークとしてだらだら下がる展開になっている。
6月8日までは全セクター上昇してきたということを考えると、6月8日まではかなり実を伴った上昇であったということが後から振り返れば述べることができそうだ。

つまりこれらのことからナスダック100指数の今回の調整のターゲットレンジは「10100~10800」といったところだろうか。
期間は11月頭までと推察。
選挙前ということも一つのトピックになるかもしれない。

<NDXのチャートとターゲットレンジ>
タイトルなし

個人的には10800より上では積極的なロング追加はしたくない。
10100-10800から徐々にロングを積んでいき、10100以下では全力でロングを追加していこうと思っている。
またロングを積むときは自作ブルベア指数も見ながら行っていきたい。
少なくとも自作ブルベア指数が50を割っているところとその時の株価位置を確認しながらロング追加の検討をしていきたい。

<ブルベア指数過去データ>
村越誠ブルベア指数マガジン
(ツイッターで最新データは公開中)

ナスダックが10000以上とかそれでもコロナ前より高い水準にいるものの、それでも頭からターゲットレンジ下限で19%という下げでもあるので無茶なポジションを取っている人はそこそこ死ぬかもしれない。

以前にソフトバンクがエヌビディア株に突撃して価格を吊り上げた時はエヌビディア株は上から下まで50%下げた。

タイトルなし


その後結果的にはバイーンと反発してアホールド組はこの世の春であったが、さすがにこの下げ過程では生きた心地はしなかったようにも思える。
今回ソフトバンクが途中から個別株コールオプション市場に参戦してナスダックの価格吊り上げに加担してしまったことを考えれば、やはり通常の下げより大きめの調整が入ることは頭の中に入れておくべきだろうと思う。

<参考ニュース>
米ハイテク株急騰の陰にソフトバンクGか

また今回の調整過程で観察すべきデータはこのソフトバンクのように個別株コールオプションで調子こいて上値追いをした人達がどの辺で諦めるかである。

<CBOE集計の個別株オプション日次出来高>
タイトルなし

(取得方法はこちら)
【コピペでOK】CBOEサイトからオプション出来高情報をPythonでスクレイピングする方法

過去記事の通り、様々な個別株オプション市場においてプットよりコールの方が高いという常識外の取引が横行したことからもこの人達が最もペインな立ち位置に晒されていることは間違いなく、ここが相当壊滅しないと相場はあくぬけしたとはいいにくいだろう。

<過去参考記事>

オプション市場を見るとみんな人間やめてるって感想しか出ない相場

以上の要素を踏まえながら個人的にはロング追加準備をしていきたいと思う。

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