村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

オプション市場を見るとみんな人間やめてるって感想しか出ない相場


みんな人間やめすぎ。

上記ツイート内容の通りアップル株の同じアウトオブマネー幅のコールオプションがプットオプションより高いという異常事態が発生しており、オプションの常識をひっくりかえす異常事態相場というのをまざまざと見せつけられた。

ちなみに米株のオプション価格はヤフーファイナンスUSで見れるので、アップル株のオプションについては下記を見てもらいたい。
https://finance.yahoo.com/quote/AAPL/options?date=1610668800

なぜ異常事態なのか?
一般的に同じアウトオブマネー幅のプットオプションというのはコールオプションより高い。
なぜならオプションを活用する人というのは一般的には裸ロングショートするのではなく、既存のポジションをヘッジするために活用する。
ということは基本的には現物ロングポジション持っている人が下落時のヘッジのためにプットオプションを買う方が、現物ショートしててコールオプション買う人あるいは現物ロングしててコールオプション売る人よりも多いことを意味している。
そして多くの人間は基本的にはリスクを回避するという「生物の本能に根差した」投資行動をするため、一般的にプットオプションはコールオプションより需要が高く、同じアウトオブマネー幅で比較した時にプットオプションの方がコールオプションより高い。
ここらへんの解説について興味がある人はぜひとも以下の書籍を参考にしてもらいたい。

<参考書籍>

実務家のためのオプション取引入門

しかしこのアップル株のオプションを見ると、下落ヘッジしている人よりも上値おっかけ裸ロングしている人間が大量に存在して、コールオプションよりプットオプションが高くなるという異常事態を引き起こしている。
先ほどプットオプションがコールオプションより高いことは「生物の本能に根差した」投資行動と説明したが、特段決算後の株価ジャンプ時や特別な材料が出たわけでもなく、世界で最も時価総額の大きい銘柄でコールオプションが高くなるという取引が行われていることは、もはや参加者は人間をやめているといっても過言ではないだろう。

(アップルのコールオプション触っている人のイメージ)
タイトルなし


さすがにあまりにも遠いファーオプションで比較するとあれなので、もっと今現在 の中心価格に近いもので比較してみたが、それでもやはりプットよりコールの方が高い。(9/2時点)
個人的には中長期投資分のナスダックを持っていてまあそれでいいかと思っているけど、もはや「人間ではない何か」が市場に参戦しているという感想しか思い浮かばない相場になりつつある。
(フォロワーからそんな老害みたいなこと言わずに、新世界に慣れてくださいとかいぬまんの言うことを聞けばいいと煽られました)

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ユーロの口先介入でドルの流動性に完全依存している資産群がメタメタ

ユーロ反落、ECBレーン理事のユーロ高けん制や域内ウイルス感染件数増加

口先介入なので一体どれだけ効くのかは正直わからない。

昨日欧州時間はじまったあたりから何も材料ないままユーロドルが急速に下落し始めてなにごとかと思ったら口先介入が飛んできたらしい。


ユーロドルの対ドル水準自体は決してすごく高い位置にいるわけではないものの、ドル安速度があまりにも早すぎることから、ECB高官からこれをけん制する形の発言が出てきた。

米ドルvs円ぐらいなら米ドルの影響度の方が圧倒的に大きいので円側で対応できることはかなり限られるが、米ドルvsユーロと覇権通貨同士のバトルになるので正直何が起こるかわからないと考える投資家は増えるだろう。
ここまではとにかく米ドルをいかに素早く売るって流れだったのが、その売るスピードについては口先介入が効いている間は遅くならざるを得ないだろう。

ただ一つ言えることはドルの流動性速度拡大が相対的に減少することを意味する。
これに真っ先に反応したのがドルの過剰流動性オンリーでしか上昇できない資産群である。
具体的には貴金属と仮想通貨である。
ナスダックの爆騰している銘柄については過剰流動性だけでなく、売上高上昇による投資家の成長期待という将来のキャッシュフロー期待があるのでこちらは過剰流動性が減少してもバブル継続はありうるものの、貴金属と仮想通貨は一切キャッシュフローを生まない資産なので100%ドルの過剰流動性に依存している。
これがユーロドルの動きに伴って激しく反応した。

少なくともプラチナはここまで10年以上いいところがなくて、今回の過剰流動性相場の中でも取り残されていた貴金属だったが、結局取り残されたまま再び永い眠りにつきそうな感じだ。
少なくとももう数年以上はゴールド・シルバーに追いつく可能性はないだろう。
ビットコインも仮想通貨市場の中ではもう成熟しきってしまい、新規性もないということでLINKコインなどのDefiコインがバブルの中でプラチナと同様に比較的取り残された群の中に入るだろう。
こちらも一部では2万ドルを夢見ている人がいるが、これだけDefiコインがバブってこれしか動かないなら、もはやビットコインは投資市場の中では一周した資産ということになるだろう。

ただあくまで牽制する形だけの口先介入にどれだけ効果があるのか疑問だという話も当然の疑問であり、相場は場合によっては本当に実力行使に出るのかどうか試すような動きもしばしばあるので、ユーロドルの動きは当面注目度が高い状態が続くし、他の資産価格への波及度合いも観察しておく必要性があるだろう。

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コングロマリットディスカウント解消を狙ったバフェット氏の商社株買い

バフェット氏の商社投資、日本のバリュー株に世界の注目集める可能性

いつもの通りブルームバーグラジオをアレクサで聴いてるとここ数日はバフェット氏の日本の5大商社株買いというのがニュースとしてかなり頻繁に報じられるのを聞いた。

基本的にはコングロマリットディスカウントの解消による現在の市場評価とバフェット陣営が計算してこれだと思っている実態評価のさや抜きがメインだろうと思っている。
商社株価のコングロマリットディスカウントというのは市場では非常に有名な話である。
普通の個人投資家がパッと見てもあまりにも事業が多岐に渡るため、非常に調べにくい。
そして調べても事業投資みたいな案件が非常に多いので、それぞれの評価とかキャッシュフローとか調べていると労力ばかりがかかって、その間に今の相場でいうともっと単純でわかりやすいグロース株がバンバン上がるということもあり、骨折り損になる可能性が非常に高い。
減損が出るときも予期せぬ減損が出たりしてかなり企業分析の難易度の高い分類である。

だからこそバフェット陣営については、おそらくだがじっくりと調べてこのコングロマリットのディスカウント解消は可能ではないかと踏んだのだと思う。
ただ5つ全部に資金を突っ込んでいるところを見ると、どれか一社というよりは5社ぶん投げた中でどこか一社でもこのコングロマリットディスカウントが解消されれば利益が出るといった期待の仕方をしているようにも見える。
また、当の本人達が提灯を掲げることによって殿様イナゴとなって投資家をさそって、積極的にコングロマリットディスカウントを解消させようというのも意識しているだろう。
そういった意味ではバフェット氏の師匠のベンジャミングレアム氏の考えに近い市場評価と実体評価のずれを狙った昔ながらのバフェット氏の投資手法回帰みたいな感触がした。

ちなみにベンジャミングレアム氏の投資手法について知りたい方は下記を読んでほしい。
<参考図書>

証券分析

もちろん長引きそうなドル安を背景にコモディティ関連ポジションを取りたいという考えや、エネルギー価格が低めで推移しているところに中長期投資でそういったところにポジションを張りたいと考えている節もあってそういうのも考えられているだろう。

ちなみになんで自国米国や海外の商社みたいな会社に投資しなかったのかというと、日本以外の商社の信用力というのは基本的に低い。
日本企業の場合は存続性・連続性というのが重視されるということに加えて過去にでかい損失をみんなやらかしているということもあり、5大商社は基本的にはかなり固い財務運営を行っている。
一方で米国中心にそうなのだが、海外商社はついついド派手な投資をしたり、一攫千金でわけわからない商品トレードをしていきなり大損ぶっこいて爆死するみたいなまるで梁山泊みたいなところばっかりで実は日本の商社イメージとは裏腹にばくち打ち・ならず者・いきなりデフォルトみたいな事例が後をたたない。
そういうことも含めてコングロマリットディスカウント解消を狙った投資として日本の商社というのはまあ確かにそういう戦略もあるよなという話である。
またエネルギー株でいうと米国エネルギー株は全員シェールガス投資の泥沼にはまっており、未だ全部の減損を出し切れていないということもあり、避けるかロングポジションをカバーするために売るべきセクターとなってしまっている。

残念ながら個人的には商社に対してあまり知見がないことや、じゃあこのディスカウント解消戦略ってほんとにワークするんかいな、ドル安っていつまで続くんかいなというところはかなり難しいところであり、ここではその是非については評価はできないと思っている。
またこの投資手法自体はいわゆる長い資金で常識の範囲内のリターンを安定的に得ていく投資手法ということもあるので、今すぐ金持ちになりたい、手元資金は少ないけど億り人にすぐなりたいと思う人には全く向いていない戦略なのであしからずである。

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シタデルのメルトアップ市場解説がすごく胡散臭い件について


うそくせええええ。

先週の木曜日と金曜日においてVIXが上昇しながら相場も上昇するという、いわゆるメルトアップ的な現象が起きた。
全体として相場が過熱しすぎで、そろそろさすがにやばいんじゃないかという噂がちらほら言われる中でゼロヘッジが
「いやいや、これは一部IT銘柄が暴騰したせいでボラティリティショートにしていた人達が慌ててショートを閉じたりボラティリティロング取引をしたのでVIXが拡大したので、相場には問題ないですよ」
とシタデルが解説しているという記事が出ている。

・・・なんか嘘くさい。
特にわざわざシタデルがそういうことわざわざ解説してくれているというのがすごく胡散臭い。
シタデルはファンドに資金を投じてくれている顧客にはやさしいかもしれないが、はっきりいってそれ以外の投資家は養分としか考えておらず、はめ込む考えしかないまさにウォール街の中でもGSより汚い・卑怯というイメージが強い。
特にシタデルは自社プラットフォーム経由で株取引しているフローが見えてたり、ロビンフッドの注文を受け取って玉操作したり、かつ今ではロビンフッダーの注文状況見るのを独占したりとやりたい放題である。
こんなやつがわざわざ「いやいや、VIX上がってますけど全然問題ないですよ」なんていう時は、実際はろくでもないことを考えているケースの方が多い。

実際自分は手元にCBOEのオプション取引データを集計しているものがあるので、それを見ているといくつかヒントが見えるかもしれないと思い見ることにした。

(なおデータの取り方については下記参照)
<過去参考記事>
【コピペでOK】CBOEサイトからオプション出来高情報をPythonでスクレイピングする方法

・インデックスとかのオプション取引は大分落ち着いていることからボラティリティショートしている人は確かにいそうだ。

<インデックスオプション取引高>
タイトルなし


・一方で個別株コールは未だ盛り盛りなので、コール売りしている人はそもそも現物持っていて、プット売っている人はそんな増えていない。

<個別株オプション取引動向>
タイトルなし


・そもそもシタデルの解説している急騰したCRMはNDXに含まれていない。
個人的に最も胡散臭い解説部分はここだ。
セールスフォース(CRM)は確かにあの日急騰したが、NDXの構成銘柄ではない。
たしかにあの日CRMの急騰にあわせて、他のSaas銘柄も上昇していたが、これでボラティリティショートしている人が慌ててVロング決めなきゃいけないようなやつだったかと言われると少し疑問だ。

個人的にはVIXについてはどちらかというと米国債金利の上昇に合わせた動きのように思えている。
とりあえずちょっと発言元がシタデルということでかなり眉をひそめざるを得ない言説だなと感じた。

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JREITの積み立て投資を継続

<東証REIT指数のチャート>
タイトルなし


利回り確度が高いのにまだ3年移動平均線より下のものは基本的には買い。

自分が色々エントリーする目線で重視しているのは1年・3年移動平均線であることは何回かこのブログでも記事にしたと思う。
その中で利回り系の商品については特に3年移動平均線というのを一つの目線にしている。
利回り系の商品なのに過去3年移動平均線を下回り続けるということはよっぽどその銘柄が駄目、世界経済が世紀末(死語)、そもそもその国の経済がこれから破綻に向かうとかでない限りは基本的には解消されるものであると個人的には考えている。
それは少なくとも過去3年と比べて割安だと皆が思っているところから徐々に見直しされていき、順次悪影響が薄れていくにつれそれが解消されていくからである。

なので個人的には相場が崩れて以降もJREITは過去3年移動平均線より上にいくまでは基本的には積み立てでてきとーに買い増して行くことを継続している。
それに本当に不動産投資が崩壊しているならツイッターで見てる不動産クラスタの人が全員死滅しているはずで、確かにコロナウイルス暴落以降少し元気のなさが見えるものの、元気な人も多いのを見ていると素人でも簡単にできるJREIT投資が根本から崩れるという感じはしないと思っている。
米国REITもショッピングモールの比率がJREITより高いということもあり山あり谷ありだとは思うが、こちらも長い目線で見ればてきとーに積み立て投資していれば大きな問題はないのではないかと思う。
(ただ米国REITの場合はCMBSリスクがあるので出遅れそう)
個人的には株のロングで為替リスクを大量に抱えているということもあり、円建てでの収益獲得源も確保しておきたいという理由からJREITの方を優先しているが、ここは個人の選り好み次第だと思う。
まあグロース銘柄とかではないので、ぶりぶりにキャピタルゲイン獲得してどうのこうのというのはないし、まだまだこちらも山あり谷ありなのでゆっくり配当目的として毎月確定拠出年金で積める分だけ積んでおこうと思っている。

高配当銘柄でも同様の傾向は見て取れると思うが、なんちゃって高配当銘柄には引っ掛からないように気を付けたい。
3年移動平均に全然戻らないものについては利回りを維持できる確度が非常に低いことを意味している。 
例えばSPYD構成銘柄についていうと、ゼロックスとかアルトリアグループとかは業態の悪さや財務の母屋さを考慮すると減配リスクが非常に高く、3年移動平均線まで株価を押し戻せるパワーがない。
一方で同じSPYD構成銘柄でもPublic Storageなどの業績が維持できそう・配当維持確度の高い銘柄については3年移動平均線レベルにまで押し戻せている。

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プロフィール

村越誠

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